JNCCのFIM規制について色々


忘れずに把握しておきたいルール

JNCCの後輪FIM規制

昨年度から導入され、今年度からは全クラスが対象となったJNCCのスキー場ラウンドにおける、
FIM規制についてちょっとお話しようかと思います。

これは、スキー場を使った会場でのレースにおいて、路面へのダメージを軽減するため
後輪にはブロック高が13mm以下に抑えられているFIM規格対応のタイヤを使ってくださいね、
という規制です。
(↑の画像のR3・4・5・7・9に関してはFIMと記載があるでしょ)

FIM規格に対応したタイヤは、ISDEなどの海外エンデューロでは一般的で、
国内では主にJECなどで使用される機会の多いタイヤでしたが、
この規制によってこれまで以上に使用機会が増えると思われます。

どんなタイヤがあるんだい

タイヤの具体例を挙げると、
ブリヂストンの場合はバトルクロスE50というタイヤがFIM規格対応となっています。

FIM規格対応だけに、リヤのブロック高は13mm以下に抑えられており、
公道走行も可能。

このカテゴリーのタイヤはブリヂストン以外にも各社ラインナップされています。

ただ、ここで気になるのが
【ブロック高は13mm以下だけど、FIM規格では無いタイヤはどうなるの?】という疑問です。
ブリヂストンの場合、上記で挙げたE50のバリエーションとして
E50EX(エクストリーム)というタイヤがあります。

見た目はソックリですが、コンパウンドが全く異なり
非常に柔らかい特性と持った、いわゆるガミータイヤのカテゴリーに分類されます。
公道を走るにはちょっと剛性が足りないよね、というわけで公道走行は不可。
つまりFIM規格に対応しているようで対応していないという、
特殊な立ち位置のタイヤとなります。
海外のハードエンデューロではこの手のタイヤが需要が多くて売れ線らしく、
近年各社ラインナップが増えてきているジャンルなのです。

出場出来るのかい、出来ないのかい

ではでは、このタイヤはJNCCのスキー場ラウンドに出場出来るのか?
答えはYESです。E50EXはJNCCに出場出来ます。

公認タイヤリストにもバッチリ。
FIM適合って書いちゃっていますがこれは便宜上のお話。

何故かと言うと、JNCCの掲げるFIM規制というのはあくまで
会場の路面へのダメージを抑えるという意図のために設定されているのであって、
公道走行の可否など、厳密な意味でのFIM規格の定義はJNCCにおいて絶対では無いということですね。

結局どっちなんだい

しかし、上記の話はブリヂストンの場合のお話。
他のメーカーでは銘柄によりちょっとまちまちな状態です。
FIMタイヤだけどFIM扱いになっていないものや、FIM扱いになりそうだけど
FIM扱いになっていないなど。


不思議なので電話してJNCCの運営事務局さんに聞いてきました。
すると、回答は以下の通り。
(文脈などはアレンジしてあります。)

●あくまで路面へのダメージを減らすのが目的なので、
ブロック高が13mm以下であれば
FIM規格そのもので無くてもOK。

●ブロック高が13mm以下であり、メーカーから申請があれば
基本的に公認タイヤとしてOKしている。

とのことでした。
確かに公認タイヤリストを見ると、IRCのTR-011ツーリストやダンロップのD605など、
トライアルタイヤやトレールタイヤもブロック高13mm以下ということでFIM適合の扱いになっているので、重要なのはブロック高であることがわかります。

とは言え、各社それぞれの考えがあると思いますので、言及はここまでにしたいと思います。
現時点で言えるのは公認タイヤリストをしっかりチェックしましょうということ。
FIM規格対応だからOKだぜ~と確認せずに選択してしまうと、実は公認タイヤじゃなかったという可能性があります。

強引にまとめ

スキー場のレースは標高でコンディションが変わるので
燃調など色々トラブルがおきがちです。
タイヤに限らず、しっかり準備してレースにのぞみましょう~。


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