90年代トレールバイクはアリかナシか



当店にいると90年代に発売されたトレールバイクは普通に見かけるわけですが、
考えてみれば90年代のバイクなんですからとっくに20年以上経過しているわけです。
タイヤ交換などでそうしたバイクを整備させて頂くことも多々あるわけですが、
細部の状態を見ていると正直そろそろ維持が厳しくなってきたな・・・と思うのが正直なところです。

予め申し上げておきますと、90年代トレールに乗っている方を批判する内容ではありません。
僕自身が1997年式のXR400Rに乗っているので・・・
90年代トレール大好きです(400Rがトレールかというツッコミは無しで)

ただ、90年代トレールの維持にはそれなりの手間とコストを掛けないと厳しい
というお話をさせて頂きたいのがこの記事の趣旨でございます。

90年代トレールというバイクは定番の車種を挙げると
XR・TT-R・SEROW・DR・KLXという4サイクルとCRM・DT・RMX・KDXという2サイクルが定番になりますが、どれも部品供給は結構厳しいです。
通常、車両の生産終了から7年程度で部品供給は徐々に無くなっていきますから、
20年も経てば生産終了・廃番も相当にあります。
また、プラスチックやゴムなどのパーツの劣化や走行距離に応じてた各部の消耗も相当にあるでしょう。
金属なら錆も当然あります。

というわけなので、現状が相当くたびれているというのが基本になります。
走行距離が少ないとか、室内保管であっても例外ではありません。
なので、90年代トレールに乗るならば手間とコストを掛けて整備しましょう。

例えばXR250ならバルブクリアランスがズレてカチカチ音がうるさいとか、
カムチェーンが伸びてテンショナーも機能していないとか
キャブレターのサブエアクリーナーが崩壊して無くなっているとか
レギュレートレクチファイヤがパンクしているとか(これは気づくと思いますが)
ステップ右側近くのフレームにヒビが入っているとか
2003年以降のモデルですとインナーチューブが錆々だとか
色々ガタは出ているはずです。

良く丈夫とか壊れないとか言われるXR、そんなことはありません壊れます。
普通に乗っていても壊れます、それは20年以上過ぎた旧車だから。
強いて言えば壊れてもだましだまし乗れてしまう、というのが正確です。
ただ壊れている以上、いつ重大なトラブルになるかはわかりません。

先日あった事例ではブレーキフルードが固形化してキャリパー内の通路を塞ぎ、
リアブレーキがほぼ機能していなかったことがありました。
こうしたトラブルは旧車ならどの車両にも起こりうるものです。

最近連続であったのはSEROW225のスイングアーム根本のスライダーが欠損しているというもの。
(上の画像の14番)
これはゴムというよりプラスチックっぽい素材で、
経年劣化で割れてどこかへ飛んで行ってしまっています。
純正部品は廃番・・・幸い純正のコピー品が出回っていますが、それが無かったら結構深刻です。
オーナーの方はチェックして見てください。これが無いとスイングアームが削れていってしまいます。

そんなわけで、個人売買やオークションなど現状渡しで旧車を購入される場合は
乗り出す前に全体的なチェックをしないと危ないかな・・・

バイク屋さんで購入すればそうした心配はありませんし、
万が一購入後に不具合があっても対応して貰えます。
レッドバロンさんだったら部品が絶版になってもストックからなんとか引っ張ってきてくれたりするので、その辺りも心強いでしょう。
とにもかくにも、バイク屋さんに診てもらうのが一番です。

車両価格が安かったとしても、マトモな状態で乗るにはお金と手間が掛かる時代になってきています。
ちょっと直すというよりはプチレストアの領域ですね。
ダープラにはお手伝いのご用意はありますよ!パウダーコーティングにホイール組み立てなどなど。

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インナーチューブやスポークなどの材料もご用意しております。

オンロードのNSRやZ2のような人気車種はともかく、
旧車は時間が経てば経つほど維持はしんどくなっていきますから、不具合には早めの対処がおススメです。


コンディションさえ良ければ、90年代トレールは現代のバイクとは違う魅力を見せてくれます。
それがいつまで経っても僕がXRに乗り続ける理由です・・・


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